うつ病を抱えながらの仕事復帰と再発防止
復職するにあたって不安がある方はたくさんいると思います。
3回休職して、3回復職を経験した旦那に以下の4点について書いて欲しいと頼みました。
①休職するまで
②うつ病の克服
③9カ月の休職からどう復職したか
④なぜ今まで再発しないで仕事が出来ているか
うつ病で休職していて復職される時のヒントになると幸いです。
①休職するまで
職場では出世コースにのっていました。管理職にまでなり、やりがいを感じながら仕事をしていました。
しかし“うつ病”という病が自分を襲いました。その苦しさはなった人にしかわからないです。わかれといっても無理でしょう。周囲からもいろいろ言われました。
頑張りが足りないとか、いい歳して何してるとか・・・。
でもこればかりは自分でも制御がきかず、頑張れば頑張るほど苦しさが増していきました。
そしてついに体が動かなくなり息をするだけでも精一杯の状態になってしまいました。
今振り返ると自分のうつ病は自律神経の乱れが起因していると思われます。
夜眠れない、お腹を壊す、極度の疲労、倦怠感という症状が何をしても治りませんでした。自律神経の交感神経と副交感神経のバランスが崩れて起きているという事実を本で知りました。
②うつ病の克服
うつ病を発症してしまうとどうにもなりません。うつ病になったことがない人にわかるように例えるならば、電気のブレーカーが突然落ちたような状態です。40Aで契約していたはずなのに突然10Aしか供給されず、ブレーカーが落ちてしまったようなものです。なので頑張ってもすぐにブレーカーが落ちてしまうというような感じです。ですから体を休ませ休養をしっかりとり、体が正常になるまで時間をかけていくしかありません。
そして特に重要なのが薬です。自分に合った薬を見つけないと復職は難しいでしょう。
自分に合う薬を見つけることは大変な作業になります。薬には副作用が必ずあるのでその副作用を最小限に抑えなければいけません。
うつ病の薬は即効性ではないので3カ月~半年飲み続けても大丈夫と思うことができる薬に出会うことが必須となります。
「その薬が合っていないのではないか?」と嫁から言われていました。
自分でもビリビリと電気が走るような感覚と極度の疲労感(すぐ疲れる)があり、「うつ病は薬を飲めば良くなる」と言われていた言葉を信じて薬を飲んでいましたが、嫁の実家で生活することになったことをきっかけに一旦病院を変えることにしました。
新しくかかる先生に一人で診察を受けるのが嫌だったので嫁にも同席して貰い、症状や今後のことを話して貰いました。
嫁が先生に伝えたことは「出来るだけ薬は飲みたくない。飲まなければいけないのなら薬の離脱症状が出ることがないような薬を希望したい。カウンセリングもこれまでに受けていないのでカウンセリングも希望する」ということを言っていました。
その結果、これまでの薬は全て変わり全く違う処方をして頂くことになりました。
今の薬は以前のような副作用はなく自分に合っていると思います。
③9カ月の休職からどう復職したのか
新たに処方された薬の効果が自分で得られたと感じたのは半年位経過してからです。
その間は昼夜逆転に近い生活でした。昼寝は数時間を午前中も午後もしており、そのせいで夜になっても眠れないという悪循環に陥っていました。昼寝をするから夜寝れなくなると解っていても昼寝をせずにはいられませんでした。でも、ここで焦ることなく休職中だからという思いでゆっくりと過ごしました。
薬の効果を感じるようになってからは日常生活を仕事の時間に近づけるように努力しました。
朝は7時頃には起床し、朝ご飯を食べ、実家の畑仕事の手伝いをすることを決めました。義母にもそう宣言し、決めたからには起きることはとても辛かったですが頑張って起きるようにしました。7:30頃には畑に行き、義母に言われたことをやっていました。その作業をしている間は辛くはなく意外に動けるなと思ったくらいでした。このことが交感神経と副交感神経のバランスを整える訓練になったと思います。
少しでも前向きに復職をする覚悟で日々を過ごす精神的強さを持つことが大切ですが、無理をしてはいけません。
復職するにあたって会社には謙虚な気持ちで臨みました。
月に一度は自分の調子を会社の上司に電話連絡で伝えていました。その中で復職できるという自信が出てきたので「復職したい」という意思を会社には伝え、会社の復職プログラム(1日の行動を記録する)に則り日々の行動をしっかりと記録しました。
上司に指定された日に心療内科の診断書(復職許可)を持参して会社へ赴き面談を行いました。
その結果、次回の出社日を決めてもらい復職することになりました。
④なぜ今まで再発しないで仕事が出来ているか
復職と言っても元の職場に戻れたわけではありませんでした。復職した職場は人事を管轄する部署でのならしから始まりました。
そこでの作業は庭の草とりや雑用です。復職しても自分の居場所はありませんでした。これも現実です。受け止めるしかありません。それでも給料はでます。そう割り切って自分はここで1から出直そうと決めました。
実際にならし作業を始めたのですがこれが思っていたより大変でした。休職中は昼寝はしたし会社のリズムに慣れるのに大変時間がかかりました。その最中には不眠症になったりもしました。
①でも触れましたが、大事なことは交感神経と副交感神経のコントロールです。交感神経は昼間に働く神経で副交感神経は夜に働く神経と言われています。ただし、昼間にはこの両方の神経が高い状態でコントロールが出来るようになると大変楽になります。特に難しくありません。3つのことを行うだけでコントロールが可能になります。
・睡眠をしっかりとる。最低でも6時間は必要です。どうしても眠れなければ薬に頼っても構いません。
・食事も大切です。食べ物をお腹に入れるということは自律神経を整える上でも大切なことです。三食必ず取りましょう。朝食べたくない時にはおにぎりでもバナナでも何でも良いです。
・呼吸の仕方を意識すること。特に起きているときは深呼吸をたくさんしましょう。これは副交感神経系を高めるのに効果があります。日中は交感神経が高いのですが副交感神経も高めに保つことができるようになります。
うつ病の薬を飲んでいる以上、ある程度の副作用とは付き合っていかなければいけません。自分の場合は昼間にくる睡魔との戦いです。昼休みの1時間休憩で20分位の仮眠で対処しています。
これらのことをこのならし職場で1年近く続けました。それでやっと仕事が出来る体を作ることが出来ました。
そしていよいよ職場異動です。元の職場ではありませんでした。ここでも1からのやり直しになりました。しかし会社が決めたことです。従うしかありません。それがサラリーマンです。過去のプライドも何もかも捨てました。
ここでの仕事を始めて3年になりますがハッキリ言って好きじゃないです。でも自分の居場所があります。必死でこの居場所を勝ち取りました。ここでなんとかやっていこうと思っています。体調の悪いこともありますが薬と上記の対策でこれまでなんとか乗り切っています。うつ病は治すというよりどう上手く付き合うかです。それを理解して行くことが大事ですね。
この病気は理解されにくいですが自分はこの苦しみは理解できます。未だにうつ病に対しての偏見があることは事実です。それも受け止めなければいけないこと。世の中がもう少し理解ある世の中になることを願っています。西洋医学的にも解明される日が必ずきます。それを信じて戦っていきましょう。
ちなみにこれ、旦那のオススメの本であり、この記事の参考文献です。
宜しければ読んでみてください。かなり売れているらしいです。
なぜ、「これ」は健康にいいのか?【電子書籍】[ 小林弘幸 ] 価格:972円 |
追記です。
鬱の症状に書き忘れていたのが動悸。これが結構酷かったようです。
復職後に気付いたことが頻脈です。これはうつの薬の副作用で頻脈と書かれていました。
1分間に120前後もあり、作業後の疲労感が半端なかったようです。
そのことを会社の医務室の産業医に相談した際、血圧を下げる薬だが頻脈を抑える効果もあるセロケンという薬を処方してもらいました。その時からずっと飲んでいますが、お蔭で70-80位の数値で収まっています。同時に動悸も収まり、普段の生活での支障は無くなっています。